50代 女性 5年以上も薬が手放せない頭痛が改善 症例 頭痛

 

 

■50代 女性 講師 鳥取市

 

■来院

2018年 6月

 

■来院時の状態

5年以上、ありとあらゆる頭痛の症状で悩まされている。仕事も多忙で、毎日頭痛薬が手放せない状態。

また、頭痛薬を飲んでも痛みが引かない日も多々あり。

頭痛外来や整骨院・整体院なども行きつくし、漢方薬やサプリメントも試したが、全く効果なし。

絶望のさ中、最後の力を振り絞って来院された様子が印象的でした。

病院からは、偏頭痛・緊張性頭痛の混合型薬物乱用頭痛とも診断されていました。

当院の頭痛で来院された方でも、ここまでひどい状態の人は過去にいませんでした。

頭痛薬を前に悩む女性

原因について

お話をうかがったところ、主な原因としては、

  • 多忙な業務や人間関係によるストレス
  • デスクワークや書き物などからの重度の肩こりからの血行不良
  • 上記の原因や不規則な生活による内臓(特に胃腸)の弱り
  • 長期の頭痛薬の服用による内臓(特に肝臓)への負担

などが挙げられます。

 

痛みからのストレスでさらに痛みを呼ぶ、典型的な負のスパイラルが長年続いていました。

また、お話を伺う中で、かなり重要と思われる点が出てきました。

『15年前に追突事故でムチウチ』

痛み自体は事故後すぐに良くなっていたとの事でしたが、おそらくこの頭痛に大きく影響していると考えられます。

 

肩周りの筋肉もそうなのですが、極度の血行不良により頭部に血液酸素栄養が充分にいきわたっていない事が痛みの原因になります。

ここが改善の大きなポイントです。

 

※補足

過去の追突事故での頚椎症・ムチウチなどは、痛みがなかったり、その当時軽傷だったとしても、数年~10年以上経過して不調の原因になっている場合が多々あります

その場合は、ムチウチ専用の施術が必要になってきますので、過去の事故歴を施術者と共有する事が改善のカギになります。ご本人は、「まさか、関係があるとは…!?」と驚いておられました。

施術内容と経過

まず、検査にて下記の事がわかりました。

  • 頭蓋骨・頭皮に動き・遊びがなく緊張が強い(血行不良の原因
  • 頸椎の歪みと硬さ(事故の影響の可能性あり)
  • ストレスなどによる胃腸の弱り(頭に血液がいかなくなる
  • 頭痛薬常用により、肝臓の弱り
  • 上記すべてが関連しての重度の肩こり

 

まず、頭蓋骨~頸椎の骨格の硬さや骨の結合部を緩める事と、胃腸をはじめとした内臓の働きを正常に戻す事急務となります。

 

胃腸が弱ると、その修復のために血液・酸素・栄養が胃腸に集中するために、頭にそれらがいきわたらなくなります。

これが頭痛の一番の原因なので、胃腸を調整して頭に血液を回すのが最優先です。

 

特に、右側頭部や目の奥がズキズキ痛むのがつらかったそうです。(下図参照)

 

1~4回目

施術の序盤は、改善するための土台となる状態を作っていく事に重点を置いています。

今回は、4回目までがそれにあたります。行った事は、

  • 頭蓋骨~頸椎の緩みをつくる
  • 胃腸の調子を上げて、頭に血液を送れる状態をつくる
  • ムチウチの施術を施す
  • 日常生活は今まで通り(食事・睡眠・頭痛薬の服用など)

施術の序盤は、4~7日間隔で来院してもらいました。集中して身体の調子を上げていき、今後改善していく身体の土台を作り上げていくのが目的です。

 

※施術序盤での注意点

今回のケースは、日常生活で特別に何か新たに行ってもらう事はしませんでした。

  • セルフケアのストレッチや体操
  • 食事内容(〇〇を食べるor控える、禁酒など)
  • 起床時間や睡眠時間の変更

などなど。

今回も「家で何かできる事や気を付ける事はありませんか?」との質問をされましたが、「早く良くなりたい気持ちは十分わかります…」と伝えた上で、下記の内容を説明しました。

 

  • 自然治癒力が低下しているので、序盤はやった割に効果が出ない
  • 日々多忙でストレスフルの中、新しい事を始める事自体ストレスになる
  • 「やらなきゃ…」「できなかった…」という気持ちがストレスになる
  • そもそも集中的で不慣れな通院自体が大きなストレスである(前提)

という事で、この時期は施術以外に新たな取り組みはストレスの方が多いと判断し、説明して納得いただきました。

 

改善への土台ができて、施術の間隔に余裕が出てからの方が効果的と伝えました。

今回は、ご本人が精神的にもかなりいっぱいいっぱいなのは見て取れましたので、全ては良くなるための最善策である事を伝えると、安心されたように少し表情が緩んだのが印象的でした。

 

4回目の時点で、痛みを感じる回数や痛みの度合い、頭痛薬を服用する回数が半分くらいまで減ってきたので、施術の間隔を2週間に空けました。

ご本人も、「痛みはあれど、ここ数年では無いくらい楽になっています!」と変化を実感され、表情も豊かになってこられました。

 

ここからのポイントとして、

  • 間隔を空ける事で、改善・維持・悪化(戻り)のどれになるか?
  • 戻った場合、何日くらいは維持できたか?

が挙げられます。大まかでいいので、上記のポイントがどうだったかを意識していただくよう、お伝えしました。

5~8回目

2週間ぶりの5回目の施術。

結果として悪化する事はなく、4回目の状態を維持した様な状態でした。頭痛薬の頻度も以前の半分くらいとの事でした。

「楽に過ごせて、良くなっている実感があります」と表情も晴れやかですが、反面また戻ってしまったらどうしようという不安も常にあると、正直な気持ちを伝えていただきました。

 

この時点で、改善への土台作りは比較的うまくいき、自然治癒力で状態を維持する力も出てきていると判断しました。

ここからは、

  • 施術オンリーでなく、施術+自然治癒力での改善を図る
  • 自然治癒力での維持→改善の流れをつくる

事を意識していきました。

 

結果的に、~8回目まで2週間間隔での施術を継続しました。

7回目以降は、2週間の間に痛みを感じる回数も度合いもかなり軽減され、頭痛薬もよほど痛い時や休めない時に1~2回飲む程度までになりました。

 

9回目~メンテナンス

~9回目で3週間空けてもさらに調子は上がり、頭痛薬も1回飲んだだけとの事で、頭痛に困る事はほぼなくなったとの事です。

「こんなに楽な日々を送る事は、もうできないだろうとあきらめかけていました。本当に良かった!」と、晴れやかな表情で喜んでいただけたので、私としてもとても自信になりました。

 

この時点で、施術を終了して様子をみるか、メンテナンスをして予防していくかを尋ねたところ、「もうあの頃には二度と戻りたくないので…」という事で、3~4週間隔でメンテナンスを継続される事にされました。

 

現在も継続中ですが、特に再発する事もなく、精力的な日々を送っておられます。

まとめ

今回のケースでは、下記のポイントが挙げられます。

  • ①『過去の事故』について、早い段階で知れた事
  • ②施術以外の事を何もしなかった事
  • ③何より、ご本人の施術に取り組む姿勢

 

①については、確実に自己の影響とは言い切れませんが、その可能性を踏まえながら進めていけたのは良かったと考えます。

ご本人が全く想像していなかった事が改善へのヒントになる場合も多々ありますし、何気ない雑談の中にもヒントが隠されている事もあります。

ですので、「こんな事、関係ないかも…」などと思わず、気になった事は何でも教えてください。

 

②についてですが、「日常でできる事や気を付ける事があれば教えてください」という要望はとても多いです。セルフケアや生活パターンなど。

辛い状態から一日も早く抜け出したい・楽になりたいという気持ちは痛いほどよくわかります。

ここで忘れてはいけないのが、『施術を受けるために来院する事自体が大きなストレスである』という事。ただでさえしんどくて不安な中、勇気を振り絞って、時間を作って、お金を払って通院する事は、それ自体に思っている以上にストレスがかかります。

それに加えて、毎日セルフケアを行い、生活習慣に注意し続ける事が果たして可能なのか?

これもケースバイケースです。今回のケースでも要望はありましたが、これらの事を話し合い、まずは施術に集中する事に決めました。

 

やる事とやらない事・できる事とできない事をあらかじめ明確にして、やる事・できる事に集中する事は、改善していく上でとても大切な事です。

 

③ ②の内容を受けて、やるべき事が明確になった事で、とても前向きに施術に取り組んでくださいました。その姿勢には、本当の頭が下がる思いでした。

来院を続ける中でいろいろな葛藤や不安もあった事と思いますが、そこを乗り越える事ができれば、必ず道は開けるのだと改めて感じた次第です。

鳥取整体院